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FLPパビリオン

セールスパーソンを取り巻くIT市場環境をニュースから読み解き、お客様への提案、商談現場で
役立つ情報としてお届けします。(週1回更新/全12回) ▼解説者プロフィール

 今月のテーマ「2008年 何がIT市場を変える?大予想」
 第1回 2007年を振り返る
 第2回 2008年ITトレンド Vol.1
 第3回 2008年ITトレント Vol.2
 第4回 トレンドを踏まえてITプランを考える

「セールスパーソンのニュースを読む眼」2008年は、昨年からバージョンアップし、各月のテーマに基づいた"IT市場を読むニュースな眼"としてお届けします。今月のテーマは「2008年 何がIT市場を変える?大予想」、第1回目はIT業界のセールスパーソンとして2007年を振り返ってみます。
2007年のIT業界は、今年の春に本格施行される日本版SOX法(金融商品取引法)の話題にはじまり、日本版SOX法対応を中心に動いたという印象です。
日本版SOX法で注目されているのは「ITへの対応」という内部統制の構成要素です。しかし、IT整備をどこまで行うのかという明確な指針は無く、COSOフレームワークをベースにしながら、各社とも内部統制対応に試行錯誤していたのが、2007年ではなかったかと思います。

  サービスのキーワードは"文書化"から"自動化"へ
日本版SOX法対応を求められている上場企業は情報システムを本格的に導入しているところがほとんどなので、ITを活用しないとなると、とても不自然な印象を持ちます。
したがって、ほとんどの企業は、
○ガバナンス(企業統治)
○リスク・マネジネント(リスク管理)
○コンプライアンス(法令順守)
これらにかかわる業務を管理していく必要があり、各種業務システムの運用管理システムといったサービスを提供するベンダーが増えました。
2007年当初のサービスの打ち出しは、リスク・マネジメントやコンプライアンスを意識し、エビデンス確保を目的とした「文書化」からスタートしましたが、後半はガバナンスを意識し、運用を前提としたIT化による「自動化」へとシフトしてきました。具体的には、社内データを一元管理し、情報へのアクセスログ取得やアクセス制限機能を備えた「セキュリティ管理」中心のサービスから、ERPなど、アプリケーションレベルでの運用を意識したサービスへと変わってきました。
米国でもSOX法対応のためにIT投資費用が膨大になっているという報告があり、社内文書の整備などを進めながらIT投資費用を業務の自動化によるコスト削減効果で回収しようとする流れが生まれてきました。
当然の流れだと思いますが、セールスパーソンとして2007年の現場を振り返ると、「"最低限"の法制対応(文書化)」から「企業価値を高める法制対応」へと、お客様の意識や話題も変化したようです。

  いかにビジネスを止めないようにするか
さらに、2007年は自然災害やシステムトラブルによる事業停止に陥った例も目につきました。
地震による影響では、3月の能登半島沖地震、7月の新潟県中越沖地震が記憶に残っています。システム障害では、JR予約システムの障害、社会保険庁年金システムの障害、NTT東日本のひかり電話サービスの障害、全日空の国内線予約システムの障害、首都圏鉄道網の自動改札機システムの障害が、相次いで発生しました。
2005年より経済産業省からIT関連の事故が起きたことを想定した事業継続計画(BCP)の指針が出ていましたが、昨年起きた自然災害やシステム障害の事例から、事業停止の影響は、社会生活全般に極めて重大な影響を及ぼすという意識が芽生え、内部統制対応を進める中で、リスクの洗い出しも「いかにビジネスを止めないようにするか」という観点で進められました

  ビジネスとITの連携性をさらに高める
もちろん、日本版SOX法の対応は、2008年度で完結するものではなく、今後、業務の運用管理を継続していかなければいけないことから、BPM(Business Process Management)導入への取り組みも始まりました。内部統制対応のために従来の業務プロセスを整理・分析するなかで、問題点を発見し改善するという、PDCAのマネジメントサイクルをスムーズにまわす仕組が積極的に検討されています。BPMのポイントは、業務プロセスの可視化と業務の稼働状況の監視です。人の動きを含めた全社的な業務プロセスの制御、管理ができて、業務プロセスの変更などにも柔軟に対応できるシステムが求められています。こうしたBPM導入の取り組みの中で、ビジネスとITの連携性を高めるために、人材育成、組織内のナレッジの活用などの意識も高まってきました。
日本版SOX法対応準備のための内部統制とシステム管理の強化が重視される中、実際の運用イメージがかすかに見えてきたというのが実状ではないかと思います。
また、ソフトウェアの購入形態に対する市場の意識変化も感じられました。
ASP(Application Service Provider)の弱点を克服したSaaS(Software as a Service)が脚光を浴び、内部統制対応に奔走する企業の情報システム部門やソフトウェア業界全体で検討が始まっています。
顧客単価が低いためにビジネスとして成り立つまでに時間がかかりすぎる点は課題だと感じています。また、前述したBPM導入の観点でビジネスプロセスの改善などにも柔軟に対応できるシステムになるのが前提になると思います。今年にかけて既存のパッケージベンダーなどとの連携が進めば、自社カスタマイズ性に優れたSaaSの考え方は市場に受け入れられるかもしれません。

  経営の健全性確保+環境に優しい経営
2007年をまとめるなら、(1)経営の健全性確保のための日本版SOX法への対応、(2)環境に優しい経営を実践するため、グリーンITへの取り組みを開始する企業が増えた、という2点でしょうか。
企業としてはCSRを意識しつつ、環境問題に配慮して経営を行っていくということがポイントになっていると思います。IT関連の電力消費は毎年急増していますので、日本版SOX法対応と同じように、企業の社会的責任として環境問題に対応していくという流れになっていると思います。
"グリーンIT"は世界規模での環境問題が深刻化してきている今、とても重要なキーワードになるでしょう。これら、2008年の展望については次号以降でお話いたします。


森戸 裕一 (もりと・ゆういち)
ナレッジネットワーク株式会社 代表取締役
中小・中堅企業を対象にITを活用した経営手法、企業戦略などを提唱する、コンサルティング事業を展開。マイクロソフト社をはじめとするIT企業、自治体などが主催する中小・中堅企業向けIT化支援セミナーの講師も数多く担当し、“ITで元気になるヒント”の数々を提案し続けている。

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