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FLPパビリオン

セールスパーソンを取り巻くIT市場環境をニュースから読み解き、お客様への提案、商談現場で
役立つ情報としてお届けします。(週1回更新/全12回) ▼解説者プロフィール
 今月のテーマ「2008年度のIT予算計画」
 第5回 IT予算の考え方[前編]
 第6回 IT予算の考え方[後編]
 第7回 IT予算の組み方[前編]
 第8回 IT予算の組み方[後編]
「IT予算の組み方(前編)」では、IT投資判断の基準についてお話します。
IT投資が○だったのか、×だったのかは、その投資によって企業価値を高めることが出来たか?という視点で判断できます。しかし、「企業価値を高めることができた」といえる"何か"は、自社にとって"どれ"なのか?様々な視点や意見があって絞り込めずに悩むことになります。
企業における「投資」の目的は企業価値を最大化するためである・・・という原点で始まる投資基準=企業価値の増減は、通常、キャッシュフロー(現金)の増減で判定します。
HP BladeSystem c-Class事例集 から全日本空輸株式会社(以下、全日空)の事例を見てみます。

  キャッシュフローを生み出す投資
旅客運賃の競争激化、燃油価格の高騰など厳しい経営環境の中にあって、2006年3月期に過去最高の売上高と営業利益を上げた全日空は、中期IT戦略(2006年〜2009年)を進めています。その中心となる活動は、コスト競争力向上を推進するための基幹業務システムのサーバー統合です。
HP BladeSystem c-Class事例集 記事抜粋
今回のプロジェクトは15システム・約100台のサーバーを統合するものだが、単なるハードウェア統合によるコスト削減にとどまらず、SLAをベースにしたサービスメニュー化によるサービス提供までの時間短縮、プラットフォームの標準化・シンプル化、さらに運用プロセス、開発環境の標準化を含めて開発・運用保守コストを削減していくものである。
HP BladeSystem c-Classの導入によって、6年間で全体の運用保守コストの50%削減を要件としています。つまり、今回のサーバー導入を6年間のプロジェクトと仮定すると、サーバー導入前の6年分の運用保守コストの50%ものキャッシュフローを生み出す投資と考えることができます。このように考えると投資が○か×か?の判断は明確ですね。
事例を踏まえて、IT投資判断基準の考え方について簡易な例を想定してみましょう。
コールセンター事業を手がけているαコール株式会社は地元では名前が知られている中小企業です。αコールでは、いくつかの基幹系システムでメインフレームが稼動しているものの、以前から情報系システムを中心にオープン化を進めていました。しかし、順次構築してきた各種サーバーは、個々に最適化がなされ、各種サーバーリソースは機種ごとに硬直化され、ソフトウェアのバージョンもそれぞれ異なります。このため運用保守が複雑化しており、運用コストの増大を招いていました。
そこで、5台のサーバーを統合するためBL460c サーバーブレードの導入を検討しました。初期費用は、BL460c サーバーブレード1台、設置等のエンジニアリング費用で合計約200万円かかります。プロジェクト期間は5年間と考えました。

(1)導入前の費用と導入後5年間の費用を比較
BL460c導入前のシステム運用費、消耗品費、メンテナンス費、管理者の人件費、電気代等、それぞれについて導入前の概算を算出したところ、合計で1年間におよそ450万円かかっていました。次に、BL460c導入後、同じ項目で必要な費用を1年目〜5年目までそれぞれについて予測しました。5年間一定の費用と予測できるものもあれば、初年度のみ費用が高く、年々金額が下がる項目など、色々ありましたが、BL460c導入前と導入後5年間を比較したところ、5年間で運用保守コストを平均で20%削減できると予測できました。
(2)プロジェクトから生み出されるキャッシュフローを予測
導入前の年間経費が450万円だったので、20%の削減(450万円×20%)で、導入後の5年間は毎年90万円のキャッシュフローを生み出すことができます。
(3)投資判断
初期投資200万円に対して、年間90万円のキャッシュフローを生み出すということは、プロジェクト終了時の5年間で考えると、図に示すようにプロジェクト全体として、企業価値が増大していることは一目瞭然です。

  将来どれくらいの価値を生み出すか?
IT投資を行うことによって得られる効果をキャッシュフローに換算し、初期費用(投資金額)と比較することによって、企業価値が向上するか否か?を判断できます。
こうして図を眺めると、当たり前のことのように思えますが、現場では(特に中堅・中小企業の場合)このようにキャッシュフローを予測した合理的な投資判断を行うことは少ないようです。


森戸 裕一 (もりと・ゆういち)
ナレッジネットワーク株式会社 代表取締役
中小・中堅企業を対象にITを活用した経営手法、企業戦略などを提唱する、コンサルティング事業を展開。マイクロソフト社をはじめとするIT企業、自治体などが主催する中小・中堅企業向けIT化支援セミナーの講師も数多く担当し、“ITで元気になるヒント”の数々を提案し続けている。

【第6回】2008年度のIT予算計画 : IT予算の考え方[後編]
【第5回】2008年度のIT予算計画 : IT予算の考え方[前編]
【第4回】2008年 何がIT市場を変える?大予想 : トレンドを踏まえてITプランを考える
【第3回】2008年 何がIT市場を変える?大予想 : 2008年ITトレンド Vol.2
【第2回】2008年 何がIT市場を変える?大予想 : 2008年ITトレンド Vol.1
【第1回】2008年 何がIT市場を変える?大予想 : 2007年を振り返る

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