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FLPパビリオン

セールスパーソンを取り巻くIT市場環境をニュースから読み解き、お客様への提案、商談現場で
役立つ情報としてお届けします。(週1回更新/全12回) ▼解説者プロフィール
 今月のテーマ「2008年度のIT予算計画」
 第5回 IT予算の考え方[前編]
 第6回 IT予算の考え方[後編]
 第7回 IT予算の組み方[前編]

 
第8回 IT予算の組み方[後編]
中堅・中小企業がIT予算を決定するに当たり、予算の上限が決まっている割には、どのようなIT化を進めるのかは不明確で、「一体何をポイントに考えていけば適切な判断ができるのだろうか?」と、頭を悩ませることが多いと思います。そこで、前号では、IT投資の目的を「企業価値を最大化するため」ととらえ、IT投資判断の基準というテーマで、投資によって将来生み出す価値をお金に換算して把握し、判断をしましょう、というお話をしました。
しかし、そうはいってもこのような「将来、生み出す価値」つまり、現在手元にはない価値を見積もる考え方だけでIT予算を組めないのが現実です。すでに稼働しているシステムがあり、サーバー統合などで、システムを入れ替えるにしても、残るシステムもあるでしょう。また、社員一人ひとりが利用しているPCの運用費用も必要でしょう。今号(2008年度のIT予算計画 最終号)では、予算組みのポイントを整理します。

  投資と費用を区別して考える
では、現実的な考え方とは?"投資"を"費用"と合算せずに考える。運用のために必要な"費用"を、例えば前年度を参考に見積もる、ということと、企業価値最大化を目的として、戦略的にITに"投資"する金額を区別して検討をするということです。
例えば、グリーンITの観点で企業内に散在するサーバーを統合しようと試み、見積もりをとりました。その額は数百万円。このお金を"投資"と捉えず、一時的な"費用"と考えると、経営者の判断は「こんな額は承認できない・・・」となるでしょう。しかし、この計画は将来、価値を生み出す投資です。
サーバーの統合によって、1)管理コストの減少、2)電気代の削減、3)CSRへの取り組みを強調できる効果があります。導入前と比較すると、1)は減少したコスト分、2)は削減した電気代をキャッシュフローとして生み出すことになるでしょう。そして、3)は市場へのアピールで企業価値の向上です。
投資するということは、=リターン(将来生み出す価値)を求める、ということです。したがって、IT投資額を判断するためには、将来の投資効果を見積もった判断が必要で、数百万円という、出て行くお金だけを見るというのでは、適切な判断ができません。

  今年度だけを見ない−将来"出ていくお金"と、将来"生み出すお金"
物流システムを一新した某化学メーカーの情報システム担当者は、システムの本稼動から2年近くたったある日、社長から呼ばれました。「システムは順調に稼動しているようだが、システム関連の費用が計画当初の2倍もかかっている。どうにかならないのか?」
担当者がIT予算を審議したときは、ハードとソフトの購入費、システム開発費だけを計上していました。システムによってはライセンスの更新、メンテナンス費などが必要です。システムが稼動してからの維持・運用・保守費用が年々高くなる・・・という話もよく耳にします。IT資産の使用期間にわたって発生する費用を考えておくこと、単年度の期間で金額を見積もらないことが重要です。同じく、IT資産の使用期間にわたって、生み出す価値をお金に換算して考える(前号参照)。
IT資産は企業価値を高めるツール(で、あるべき)です。会社にとって価値を生み出すかどうかを考えてIT予算を組むためには、上述の通り、投資と費用を区別して考え、今年度だけを見ないこと。この二点がポイントではないでしょうか。


森戸 裕一 (もりと・ゆういち)
ナレッジネットワーク株式会社 代表取締役
中小・中堅企業を対象にITを活用した経営手法、企業戦略などを提唱する、コンサルティング事業を展開。マイクロソフト社をはじめとするIT企業、自治体などが主催する中小・中堅企業向けIT化支援セミナーの講師も数多く担当し、“ITで元気になるヒント”の数々を提案し続けている。

【第7回】2008年度のIT予算計画 : IT予算の組み方[前編]
【第6回】2008年度のIT予算計画 : IT予算の考え方[後編]
【第5回】2008年度のIT予算計画 : IT予算の考え方[前編]
【第4回】2008年 何がIT市場を変える?大予想 : トレンドを踏まえてITプランを考える
【第3回】2008年 何がIT市場を変える?大予想 : 2008年ITトレンド Vol.2
【第2回】2008年 何がIT市場を変える?大予想 : 2008年ITトレンド Vol.1
【第1回】2008年 何がIT市場を変える?大予想 : 2007年を振り返る

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